実践事例中学校1年1人1台タブレット

理科
寒冷前線のでき方を考えよう


近畿大学附属高等学校・中学校
後藤 友彦教諭

正解と不正解に関わらず、考え方を共有することで、生徒たちの成長を促します。

寒冷前線のでき方を考察させました。
まず実験装置を見せ、実験結果を予想させます。
ロイロノートの資料箱にあるシートに、予想を書いて教師に提出します。
正解と不正解の予想を選択して比較表示し、そう考えた理由を発表します。
実験結果の予想を確認しながら、演示実験の映像をみせ、最後に寒冷前線のでき方の説明を板書しました。


ロイロノート導入のメリット

  • 手を挙げて考えを発表するという従来のスタイルだと、生徒の考えを拾える数も限界があります。
    ロイロノートを使用することにより、飛躍的に生徒の考えを拾える数が増えました。
    その結果、間違えた考え方を意図的にピックアップできるようになり、それを共有できるようにもなりました。
  • 事前に録画した実験映像を共有できるようになりました。
    さらに、その映像をそれに関係するシートと繋げることができるので、単元をまとめやすくなりました。

実践の目標

  • 寒冷前線ができる過程を考えられる。
  • 暗記でこの単元を済ますのではなく、考えることによって、自然現象の発生する理由を導き出せるようになる。

実践の場面

1. 実験装置を見て、実験結果を予想する

寒冷前線の実験装置の説明を聞く。(このとき、生徒が自主的に考えられるように、実験結果につながるようなヒントや説明はしない。)
次に、事前に「資料箱」に入れておいたカードに実験結果の予想を書き、提出する。

2. 回答共有機能で、提出された回答の正誤を生徒自ら判断する

教師が「回答共有する」機能をオンにして、提出された実験結果の予想を生徒がすべて見られるようにする。
数人のグループに分かれて、共有された回答から①「正しいと思うものとその理由」と②「間違っていると思うものとその理由」を1つずつ話し合って決めて、それぞれの意見をカードにまとめて提出する。
(このとき、クラス全員分の回答が見られ、様々な意見を知ることができるため、学習効果が高くなる。)

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3. それぞれの考えを発表する

2で提出されたカードをもとに、グループごとに①②を発表していく。②「間違っていると思うものとその理由」で取り上げられた回答をした生徒にも、なぜそのように考えて1で回答したのかを聞く。
そうすることで、生徒が間違った考え方も知ることができ、自然現象の捉え方に幅が出てくる。
このように、正しいと考えた道筋や間違っていると考えた道筋をそれぞれ考え聞くことで、正しいことも間違ったことも共有できる。

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4. 演示実験を行う

教師が生徒へ向けて行う、演示実験をみせる。実験結果を確認するため、事前に撮影していた映像を流す。
映像を観ながら、先程、生徒が考えた実験結果の予想を確認していく。

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5. 本時のまとめ

演示実験の映像から分かる実験結果を確認した後、寒冷前線のでき方の説明を板書する。