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市長選立候補者の政策を比較検討し、模擬投票をしよう

ハークネスメソッドとロイロノート・スクールを活用したアクティブラーニング模擬投票

ハークネスメソッド形式とロイロノートで、これまでにない臨場感あふれる授業を実現します。

投票が18歳に引き下げられ、これまで以上に学校教育の現場で、公民としての資質を育てることが重要となってきています。
今回は架空の市長選挙を設定し、市政の問題点や候補者の政策などを、生徒自身が市民として比較検討しながら、投票を行う授業を実践しました。
教師と生徒が机を囲んで座り、議論方式で進めるハークネスメソッド方式を用いて、立候補者の政策について賛成できる点や問題点などを話し合い、互いの主張の相違点を明確にしていきます。その後、生徒は候補者の名前と、市政の2つの争点について投票理由をそれぞれロイロノートの資料箱に入れておいたカードに書いて、教師に送信しました。
開票結果を見る前に、それぞれの投票理由を発表してから、開票し、誰が当選したか確認していきました。



大分県佐伯市立直川中学校
立石 俊夫教諭


ロイロノート導入のメリット

・ロイロノートを使用することで、単に投票するだけではなく、投票した理由も同時に送信することができ、より根拠を明確にする授業が行えた。

・開票を瞬時に提示できるため、時間的な余裕が授業に生まれ、投票の前にハークネスメソッド形式の公開討論会を行うことができた。さらに、投票後に振り返りの時間を確保することもできた。

・ロイロノートを活用することで、従来の授業では不可能だった授業構成で、内容の濃い授業を行うことができたと考えている。



実践の目標

・架空の市の問題点と候補者の政策について、生徒自身が市民としてハークネスメソッド形式の公開討論会で話し合う。

・一人ひとりがロイロノートで投票理由と候補者名を投票する模擬投票を体験。
それを通して、合意形成についての手段や方法を学びながら、政策について真摯に論じ合える公民的資質を養う。

・生徒はそれぞれの活動のルーブリックを達成することを目標とする。



実践の場面

1. 立候補者の政策を比較する

ロイロノートで送られてきた「本時の流れ」について確認する。
そして架空の市長選挙に立候補した候補者の政策を、思考ツールを利用して整理しながら、市政の問題点とともに、今回の市長選挙の争点を明確にしていく。



2. 全員で政策の可否について公開討論をする

教師と生徒が机を囲んで座り、議論方式で進める、自由司会、自由討論のハークネスメソッド形式の公開討論会を行う。
立候補者の政策について、アクティブに考えながら、賛成できる点や問題点などを話し合い、互いの主張の相違点を明確にしていく。そうすることで、合意できる点を見いだすことができるようになる。
教師は、各活動のルーブリックを意識して、随時評価していく。



3. 理由とともに市長選の投票をする

ロイロノートを使用して、投票を行う。
生徒は、候補者の名前と、市政の2つの争点について投票理由をそれぞれ投票用紙に書いて、教師に送信する。
投票用紙はあらかじめ資料箱に入れておき、候補者別に色分けしておく。
こうすることで、開票の際に色で一目瞭然となるので、投票送信に時間がかからない。



4. 開票結果を見る前にそれぞれの投票理由を発表する

生徒が教師に送信した投票用紙の中から、投票理由のみを一覧表示して生徒全員に提示する。
生徒は、投票用紙に書かれた理由について発表する。
この発表を通して、投票結果よりも、そう判断した投票理由が重要であることを確認する



5. 開票して誰が当選したか確認する

生徒が教師に送信した投票用紙の中から候補者の名前が分かるカードを一覧表示する。
候補者別に色分けされた投票用紙を使用することで、瞬時に結果を把握しやすくなり、時間短縮となった。
ロイロノートは色別のカードが準備されており、賛否などを問うときもカードの色を指定することで、よりわかりやすく提示することができる。



6. 授業のまとめをして振り返る

今日のまとめと振り返りをワークシートにまとめ、カメラで撮ってロイロノートで送信する。
ホワイトボードにあらかじめ書かれた今日の思考スキル、「焦点化」「比較」「分析」「予想」「根拠」「問題点」「判断」「表現」について、生徒自身ができたことと、努力すべきことについて自己評価し、次の授業時に提出する。