実践事例中学校3年1人1台タブレット

数学

拡大コピーに隠れた平方根を見つけよう


多治見西高等学校附属中学校
小木曽 賢吾教諭

ロイロノート・スクールとシンキングツールを活用して、3段階で課題を解決して自分の考えを説明できる力を育成します。

本時では、A4のプリントをA3に拡大するために、倍率を何%に設定すればよいかを考えて、その理由を含めて担任の教師に説明することを課題としています。生徒一人ひとりが説明できるようにするためにシンキングツールのキャンディチャートを利用します。
まず、生徒に課題の説明をして、キャンディチャートで課題を考えて整理していくことを伝えます。キャンディチャートでは、左側に「もし~なら」、中央に「結果」、右側に「理由」のカードを置き、3枚をつなげることで説明がわかりやすくなるツールであることを確認します。1列目は見本として、「コピーに失敗した場合」について全員で一緒に埋めていきます。200%の拡大コピーによって、面積は4倍になったことを「なぜなら」のカードにまとめていきます。面積を2倍にするためには拡大率を何%にすればよいかを全員で一緒に考え、カードにまとめていきます。グループで相談しながら、2列目の理由のカードを作っていき、できた生徒から提出箱に提出させます。理由のカードを全員で確認した後、カードを言葉でつなげて、担任の教師に説明するための文を書かせました。


ロイロノート導入のメリット

  • シンキングツールを利用すると、思考の過程を残しながら考えを整理していくことができます。思考の過程が残っているので、最終的に文として書きあげやすくなります。
  • シンキングツールを提出箱に提出させることで、クラス全員の考えを教師も生徒も確認できます。
    提出箱の共有は、早く済んでしまった生徒にとっても、なかなか進まない生徒にとっても、有効に活用できます。

実践の目標

  • 主体的に構想を立てて解決に向かわせるために、問題解決の見通しを持たせ、その見通しを含めた解決の過程を振り返る。そうすることで、既習事項を活用して問題を解決するための思考力や実践力を育成をしていく。
  • 他者との学び合いを通して、自らの考えを表現したり、他者の考えを理解したりして、より良い考えを追求しようとする生徒の育成につなげていく。

実践の場面

1. 課題を提示する

生徒に課題の説明をするため、「担任の先生がA4の紙をA3に拡大コピーしようとして、倍率200%にしたところ、失敗してしまいました」と話して、コピーをしようとしている写真を表示する。そして、倍率をどう設定すればよいか、なぜそのように設定する必要があるのか理由も含めて担任の教師に教えてあげることが課題だと伝える。

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2. シンキングツールで考えを整理していく

キャンディチャートのシンキングツールを提示する。キャンディチャートでは、左側に「もし~なら」、中央に「結果」、右側に「理由」のカードを置き、3枚をつなげることで説明がわかりやすくなるツールであることを確認する。このチャートを使って課題を考えて整理していくことを伝えた。

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3. キャンディチャートの1列目を見本とする

1列目は見本として、「コピーに失敗した場合」について全員で一緒に埋めていく。拡大コピーの200%とは面積のことではなく、辺の長さのことであると確認させる。200%の拡大コピーによって、面積は4倍になったことを「なぜなら」のカードにまとめていく。

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4. シンキングツールを配信して考えをカードにまとめる

面積を2倍にするためには拡大率を何%にすればよいかを全員で一緒に考える。
その後、シンキングツールを生徒全員に配信してA4をA3に拡大するにはどう設定すればよいかを考え、カードにまとめた。

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5. グループで理由のカードを作成する

グループでお互いに相談しながら、2列目の理由のカードを作っていく。できた生徒から提出箱に提出させる。
提出箱は共有しておき、上手く書けない生徒は見ても良いことにした。それでも時間内に書けなかった生徒には、カードの色を赤に指定して全員提出させた。

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6. 2列分のカード(合計6枚)をまとめさせる

理由のカードを全員で確認する。そのあと、2列分の6枚のカードを上手に言葉でつなげて、担任の教師に説明するための文をノートに200字以内で書かせた。書いた説明文は実際に担任の教師にも見てもらった。

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