力のつりあいにおける作図の基本を学びながら、発展的な問題に挑戦します。
難解な問題に対して、3つの設問を用意し、段階的に解に迫る授業を行いました。
2つ以上の物体にかかる力を作図し、それらを力のつりあいの式で説明させました。
力のつりあいで重要な作図の場面で、ロイロノート・スクールの手書き機能が活躍しました。
また、ペア活動を取り入れ、学習内容への理解を深めました。
ロイロノート導入のメリット
- 思考の流れがより明確になり、生徒の解答を短時間に確認できるようになりました。
- 設問の種類によっては、生徒所有のスマートフォンも利活用できます。
- 作図場面での使い勝手が良く、生徒のモチベーションも上がるとともに、生徒の理解を深めることができました。
実践の目標
- 2つ以上の物体にかかる力を正確に作図できる。
- 作図した力をつりあいの式に当てはめ、求める力の大きさを導くことができる。
- 力の正確な作図が、問題を解くうえでの前提条件になっていることを理解できる。
実践の場面
1. 台はかりの示すめもりの変化を考える
設問1)水を入れたビーカー全体の質量をXgとし、この中に糸でつるしたおもりを底につけないように手で糸を持ちながら沈めた場合、台はかりのめもりはXより、①大きくなる(赤)、②変化しない(黄)、③小さくなる(青)と色分けした解答を個々に提出させる。一人ずつ回答させるために、生徒所有のスマートフォンも活用する。
2. おもり・ビーカー(水を含める)・台はかりにかかる力を作図する
設問2)おもり・ビーカー(水)・台はかりにかかる力を2人1組で考える。ロイロノート・スクールで配付したカードに作図させ、提出させる。スマートフォンだとやや画面が小さいので、学校所有のタブレットで作業させる。作図作業では、ロイロノート・スクールの手書き機能を効果的に活用できる。また、ペアワークを取り入れることで、話し合いによって考えを深めることができる。
3. 生徒による作図説明、教師に補足説明
提出された回答を表示し、複数のグループに作図した力について、何が何によって受ける力なのかを説明させる。その際、説明するグループの回答を拡大表示し、できる限り異なる回答を提出したグループに説明させるよう留意する。生徒の説明が終わった後で、教師が特に間違いやすい点について補足説明を行う。
4. 力のつりあいから、台はかりが受ける力の大きさを求める
設問3)ペアワークで力のつりあいの式を考えさせ、台はかりがビーカーから受ける力について求めさせる。特におもりが受ける力とビーカーが受ける力の間で「作用・反作用の法則」の関係にある力を拡大表示した図を見せながら説明し、求めた式を提出させる。
5. 台はかりが受ける力の解答を表示する
設問3のグループの回答をいくつか提示し、それぞれに説明を求める。生徒の説明が終わったのち、教師が補足説明をする。
6. 本時の振り返りを行う
設問3の解答から、設問1の答えが正しかったかどうかペアで答え合わせをし、何が正しくて、何が誤りだったかを確認させる。設問1で感覚的に回答したものと、設問2・3で理論的に回答したものを比較させ、基本的な知識を積み上げていく。