実践事例 > 高等学校3年 > 数学 > 2人1台タブレット

入試問題演習「関数」

ヒントカードで、学力に応じた入試問題演習を!

ロイロノートを活用しながら、それぞれの学力に応じて入試問題に積極的に取り組む授業を展開します。

これまで学習してきた内容を使って大学入試問題に取り組みます。大学入試問題は良問が多い反面、数学が苦手な生徒は手も足も出ずに戸惑ってしまうことがあります。
そこで、ロイロノートのカードに入試問題を作成して資料箱に入れます。生徒たちは2~3人のペアで1台のタブレットを使い、自分1人では解決するのが難しい大学入試問題を解いていきます。教師からは、ロイロノートでペアの進行状況を随時確認し、必要に応じて公式や解法の糸口の書かれている「ヒントカード」を、希望するペアにだけ送信します。
問題が解けたら、全ペアの解答を教師に送信させ、一覧表示します。いくつかのペアに解き方を発表させ、全体で共有します。教師が発表に対して補足説明を行い、学習の幅を広げます。最後に、解き方や解説を自分のノートに記録してまとめ、それぞれ理解したことを定着させていきました。



芝浦工業大学附属中学校・高等学校
金森 千春教諭


ロイロノート導入のメリット

・カードを特定の生徒だけに配信することができる点がとても便利です。解き進まない生徒やペアに対して個別にヒントカードを送ることにより、そのカードを手掛かりにして問題を解くことができました。また、ヒントカードが必要な生徒にだけ送ることができるので、生徒の学習を個々に応じてサポートすることができます。

・教師側から各生徒やペアの進捗状況や解答をモニタリングしたり、比較したりするが簡単にできます。

・操作が大変簡単なので、生徒は10分足らずでサクサク操作ができるようになり、解き方を説明する発表の際、有効に使用することができました。



実践の目標

・関数のグラフにおける接線の意味を理解し,接線の方程式を正しく求めることができる。

・複数のグラフで囲まれた図形の面積を正しく求めることができる。

・すでに学習した内容を活用して大学入試問題を解くことができる。

・自力で解決できない大学入試問題をペアで協力して解決しようと積極的に努めることができる。

・作成した解答をクラス全体に伝わるよう工夫して発表することができる.



実践の場面

1. 大学入試問題を配信する

この授業で取り組む入試問題を、ロイロノートでカードにして作成しておく。
カードに直接書き込めるようにし、ロイロノートの資料箱に入れる。生徒たちは2人ないし3人のペアで1台のタブレットを使い、資料箱から入試問題のカードを取り出し、問題を解いていく。



2. ペアで問題解決を行う

これまで学習してきた内容を用いながらカードに書いてある入試問題に取り組む。1人では解決が難しいような問題でも、習熟度に差がある場合でも、ペアで協力して解決の糸口を探していく。ある生徒はタブレット上で、ある生徒は紙に解き、お互いの考えを共有しながら問題解決に取り組んでいった。



3. ペアの進行状況を確認しながら「ヒントカード」を送信する

生徒がつまづく箇所はあらかじめ想定できるので、それを乗り越えるための「ヒントカード」を2〜3枚用意しておく。ペアの進行状況をモニタリングしたり、机間巡視をしたりしながら、必要なペアにだけ、公式や、問題の見方を書いた「ヒントカード」をロイロノートで送信する。
「ヒントカード」を送る際は、教師側から勝手に送ることはせず、生徒が希望すれば送るようにしている。



4. いくつかのペアに解き方を発表させる

自分たちだけが理解できる解き方ではなく、クラス全体に理解してもらえるようなわかりやすい説明ができるよう、解答を作成して提出させる。
その中から、いくつかのペアに解き方を発表してもらう。ロイロノートで生徒たちの解答を一覧表示し、それを黒板に投影しながら発表をする。発表をしている間、ロイロノートでは画面配信もできるので、他のペアは黒板を見ながら、または手元のタブレットを見ながら、発表を聞いていた。



5. 発表された解法の補足と、模範解答を解説する

代表のペアが発表した解き方に数学的な補足をしたり、生徒の中から出てこなかった解き方を教師が説明する。
大学入試問題に対する他者の解き方に触れることで、生徒は様々なアプローチの仕方や考え方があることを学んでいった。



6. ノートに解き方を記録しておく

共有タブレットのため、ロイロノートで提出したものは生徒個々の手元には残らない。また、ペアで解けたことや解説を聞いて理解したことを、自分のノートに記録してまとめておく。それぞれ理解したことを定着させ、本時のまとめとした。