実践事例塾・高等部3年古文1人1台タブレット

説話(2)古今著聞集

説話の読解のポイント

主語の把握は敬語の理解から。

前回の授業で範囲を指定した古文単語の小テストを実施し、定着度を確認します。古文を日常で使用することなどほぼありません。
したがって、現段階では、定着というより、反復による刷り込みがむしろ狙いです。実際の読解は、ホワイトボードの板書とノートを主とします。ゆっくりと、一緒に読み進めることで、生徒の集中力の持続を心がけます。
しかし、途中で生徒の知識が不足している部分(特に、後述するような敬語や単語)が必ず現れます。
その部分の解説プリントを配信し、生徒の読解を助けます。夏期講習に備えた予習指示を出し、授業終了となります

栄光ゼミナール高等部 ナビオ熊谷校
伊秩先生

ロイロノート導入のメリット

印刷物は確実に減りました。データとして課題・プリントを残すことができ、紛失することもなくなります。
大学入試の現状を考慮すると、いわゆるWeb出願が増えており、教育面でのICTに生徒が自然と触れるのは慣れという点でもメリットだと考えております。

実践の目標

今回取り上げる文章は、主語の省略が多くあります。登場人物の誰を主語に当てはめればよいかというレベルに留まらず、そこに至るロジックを自分のものにしていくことを今回の目標としています。敬語の正確な分類・理解が、ここで言うロジックの核です。
知識を一覧化したプリントを補助として、一文ずつ丁寧に主語を確認します。量より質を重視し、古文読解への苦手意識を取り除いていくことが中期的な目標となります。

実践の場面

1. iPad持参の確認

iPadを忘れてしまった生徒や、充電が切れてしまった生徒がいないかの確認を授業開始直後に行っています。
いざテストとなってから、生徒の手元にデバイスがないと貴重な時間を無駄にしてしまいます。最初に確認することで、無駄を減らすように心がけています。授業本番前のイグニッションとして、また、欠席・遅刻の簡易確認にも活用しています。

2. 単語テスト ~実施から提出まで~

古文単語のテストをロイロノートで配信します。生徒はiPadの画面を見ながら、ノートに自分の答えを書き込んでいきます。制限時間(5分)で、手を止めさせ、解答を配信します。
自己採点後、ノートを写真に撮り、提出してもらいます。古文単語の定着度を点数だけでなく、個々の単語レベルで把握でき、かつデータの保存が可能です。

3. 板書→ノートで解説

古文単語の語彙力、敬語の理解が不足していることが原因で、文章の量そのものに圧倒されてしまうことが多々あります。
1文ずつ、板書をし、いっしょに読んでいくことで、生徒が安心感を増し、集中力も保たれます。敬語の種類→主語の確認は、主語が省略されているすべての文で行います。
手間はかかりますが、量をこなすための筋道をつけることを優先します。

4. 敬語の一覧表を再配信

どんなに丁寧な解釈をすすめても、前述した単語・敬語の知識が未定着なため、そこから先に進めないことが多々あります。
その場合は、必要な知識の一覧をプリントにし、配信します。今回の授業では、既習事項が未定着でしたので、以前に配信したものを再度教師から送りました。
生徒の個人フォルダ内にも保存されていますが、あえて再配信することで要復習の意識を喚起することもできます。

5. 文学史の確認をロイロノート配信で実施=量が多いときのフォーカスが楽

単語や敬語の使用法を含む古典文法以外の代表的な知識系の問題が文学史です。最近はやや大学入試での出題が減りつつありますが、重要な知識であることに変わりありません。
膨大な量に圧倒されてしまうことが単語以上に多いのですが、このようなときに、ロイロのズーム(フォーカス)は役に立ちます。大きな位置間のプリントからジャンルごとに確認していくことで、必要以上の負担を生徒に課さずに済みます。

6. 予習指示はロイロノートで簡単に!!

古文の学習は、今回で終了するわけではなく、むしろこれからの反復と継続が大きな意味を持ってきます。ロイロノート導入前は、予習内容を紙で印刷して、配布し口頭で説明していましたが、現在は、ロイロノートで配信してすぐに終了します。
わずかな時間かもしれませんが、それが授業内で扱える問題数を1問増やしてくれます。その積み重ねがわれわれの最終的な目標である第一志望合格につながっていきます。