実践事例高等専門学校2年化学2人1台タブレット

有機化合物の実験について調べ、互いに発表し合おう

実験と発表を組み合わせた自発的な学び合い

課題解決型の実験を織り交ぜることで、学習内容への興味を喚起し、発表をすることで定着する授業を作り上げます。

有機化合物の締めくくりとして、2種類の実験テーマを5つずつの班に割り当てる。
2種類の実験テーマのうち、各グループが選択したテーマについて、図録などの書籍、スマートフォン、タブレットを用いて調査を行う。調べた通りに実験を行っても、望む結果を得ることは難しいため、様々な工夫をして実験を行った。資料として見やすい実験結果が得られたら、発表の資料に追加するため、タブレットで実験の様子を撮影する。撮影した動画を利用して、発表資料を作成する。
生徒たちは、楽しい発表になるよう役割分担しながら資料を作成していた。発表の練習として、スライドショーを行いながら、その場で説明するグループが多かった。中には、ニュースキャスターのように事前に動画で撮影するグループも見られた。
最後に、異なる実験テーマを行ったグループ同士で、タブレットを使って発表を相互に行った。

神戸市立工業高等専門学校
佐藤 洋俊教諭

ロイロノート導入のメリット

  • 自ら行った実験について、積極的に参加する姿勢が見られ、発表のため深く考えるようになりました。
  • 各グループが作成したコンテンツの保護が可能となり、授業への支障をなくすことができました。
  • 発表資料作成時の材料がグループ内でやりとりできるようになりました。
  • コンテンツのやりとりができるため、万が一失敗した場合でも、発表資料作成に支障が出ることがなく、非常にスムーズでした。
    また、操作が簡単なので、実験と資料作成に集中することができていました。

実践の目標

  • 自ら調べ実験を成功させる。
  • 実験動画を含んだ、興味を引く発表資料を作成する。
  • 発表内容を十分理解し、ペアとなった班にわかりやすく発表できる。

実践の場面

1. 実験に必要な情報を調べる

有機化合物の締めくくりとして、1クラス10班(4名で1班)を2つに分け、2種類の実験テーマを5つずつの班に割り当てる。2種類の実験テーマのうち、各グループが選択したテーマについて、図録などの書籍、スマートフォン、タブレットを用いて調査を行う。
これまで行ってきた化学実験は手順が全て決められていたが、そのような準備がない初めての実験であり、学生は熱心に調べていた。

2. 得られた情報を元に、実験を進める

調べた通りに実験を行っても、そのままでは望む結果を得ることは難しい。そのため、生徒たちは試薬の量を調整したり、温度を変えたり、工夫して実験を行っていた。

3. 発表の資料に加える動画を撮影する

資料として見やすい実験結果が得られたら、発表の資料に追加するため、タブレットで実験の様子を撮影する。
生徒たちはアングルを工夫して、見やすい動画を撮影していた。また、必要に応じて説明のコメントを音声で加えていた。

4. 実験の内容、変化の仕組みについて資料を作成する

撮影した動画を利用して、発表資料を作成する。
教師は、文字のスライドはできるだけシンプルにするようアドバイスしたり、お手本のスライドをロイロノートの配信機能などで紹介したりした。生徒たちは、楽しい発表になるよう役割分担しながら資料を作成していた。

5. 発表の練習を行う

ロイロノートのカードをつなげてプレゼンテーションを作成し、スライドショーを行いながら、その場で説明するグループが多かった。中には、ニュースキャスターのように事前に動画で撮影するグループも見られた。これによって発表に注目を集められる効果もみられた。

6. 他のグループに対して発表を行う

異なる実験テーマを行ったグループ同士で、タブレットを使って発表を相互に行った。2台のタブレットを使い分けて、必要な情報をテンポ良く提示するグループがあり、上手に使いこなしていることが見て取れた。
実験の仕組みとしては非常に複雑であったにも関わらず、理解し、自分の言葉で説明できていたことは非常に印象的であった。