ロイロノート・スクールで反転授業の動画教材を作成し、国語科教育の可能性を探る授業を展開します。
国語教育学ゼミの3年生14名で、反転授業の動画教材作りをしました。
まず、どのような教材でどのような動画にしていくか、思いついたことをブレインストーミングの要領でロイロノートのカードに書き留め、アイディアをカードにして具体化していきます。さらに、学生同士で作ったカードを共有したり、交換したり、新たなカードを付け加えていきながらアイディアを広げました。そして、グループで考えたアイディアを具体化した反転授業のスライドを作成します。できあがったスライドは「送る」機能で共有し、つなぎ合わせて一連の教材にしました。
その後、スライドがわかりやすく作られ、並べられているかをチェックし合います。また、出来上がった部分を再生して確認し、中学生の反応を想像しながら、よりよいスライドを作るための試行錯誤を重ねていきます。イラストを付け加えたり、足りないスライドを挿入したりして、よりわかりやすい教材になるよう工夫を重ねました。
未完成部分は宿題とし、グループごとにオンラインで作業を進めて、出来上がったナレーション入りの試作スライドを提出箱にアップロードしました。
野中 潤准教授
ロイロノート導入のメリット
- 中高生時代にICT教育を受けたことがまったくない学生たちが大半ですが、小学生や中学生でも直感的に操作できるロイロノートスクールを使うことで、タブレットを使った学びの楽しさを体験することができました。
- 通信機能を使うことで、協働的な学びを教室の内外で展開することもできました。
- 手書きのノートを撮影して提出させるなど、従来型の手法と組み合わせて使うことに適していて、ICT機器に抵抗感を持つ学生たちにとって受け入れやすいものであるという点も、ロイロノート導入のメリットになっています。
実践の目標
- ロイロノートの特徴を理解し、基本的な利用方法を実践できる。
- ロイロノートを国語科教育で活用する方法を工夫することができる。
- ICTの導入によって国語科教育にどのような可能性が広がるかを考えることができる。
実践の場面
1. 反転授業の教材作成について説明を受ける
ロイロノートで作ったスライドを使って、反転授業とは何かということについて概説し、本時の学習活動の概要を伝えた。そのうえで、前時までに体験したロイロノートの基本的な機能を確認し、スライドにナレーションや効果音を入れることによって、反転授業で使えるような動画教材を作ることができることを説明した。
2. ロイロノートでブレインストーミングを行う
どのような教材でどのような動画教材にしていくか、思いついたことを形にしていく。ブレインストーミングの要領で、思いつきをロイロノートのカードに書き留めたり、アイディアをカードとして具体化したりする。
2~3人のグループ活動として、口頭でコミュニケーションを図りながら随時カードを共有したり、交換したり、新たなカードを付け加えていきながらアイディアを広げていった。
3. 教材スライドを協働で作成する
グループで考えた反転授業の教材スライドを協働して作っていった。テキスト入力で作る者、インターネットから素材を探す者、お絵かき機能でイラストを描く者など、さまざまな方法で作成していた。作ったスライドは「送る」機能で共有し、つなぎ合わせて一連の教材にしていった。
4. 話し合い、手を動かしてスライドを改良していく
スライドがわかりやすく作られ、並べられているかをチェックし合う。許可を得て別室に移動し、ナレーションを録音する学生たちもいた。出来上がったものは部分的にでも再生をして確認し、中学生の反応を想像しながら、よりよいスライドを作るための試行錯誤を重ねていく。写真撮影を前提に、紙に手書きでイラストを描く学生もいた。
ロイロノートを使うことで、多彩な方法でスライドを作ることができた。
5. ナレーション入り試作スライドを再生して、細部をチェックする
線の色や種類を変え、指先を動かしてイラストを描いていく。描いたイラストにはキャプションを挿入したり、足りないスライドを付け加えたりして、よりわかりやすい教材になるよう工夫を重ねた。イラストが得意な学生、ナレーションが上手な学生、調べ物が好きな学生など、それぞれの個性を生かしながらスライド作成を進めていった。出来上がったナレーション入りの試作スライドを再生して、細部をチェックしていった。
6. グループごとに作業を進め、提出箱にアップロードする
14人のゼミ員が、3人×4グループ&2人×1グループの合計5グループに分かれ、思い思いの反転授業教材を作成していったが、時間内に仕上げきれなかった部分は宿題とした。それぞれのグループで、どのように作業を進めるのかを考え、空き時間などを利用して協働で作業を進めたり、自宅で個人作業したものを「送る」機能でやりとりしたりしながら、期限までに提出箱にアップロードしてもらった。