実践事例中学校2年理科3~4人1台タブレット

生物の進化

双方向型授業により効率よく生徒の主体的な活動を促し、進化の証拠を見いだす

ロイロノート・スクールを活用した双方向型授業で「進化」を学ぶ授業を展開します。

まず、カモノハシについて、鳥類と両生類の特徴を班ごとに紙のワークシートに記入します。作成したワークシートをタブレットのカメラで撮影し、ロイロノート・スクールを利用して教師機に送信します。教師は、各班のワークシートを一覧表示したり個別に提示したりしながら生徒の考えを学級で共有し、カモノハシがホニュウ類でありながらも鳥類の特徴をもつ中間の生物であることを認識させます。シソチョウについても、カモノハシと同じようにロイロノート・スクールを活用して、ハチュウ類と鳥類の中間の生物であったことを認識させます。
カモノハシとシソチョウについて特徴を理解した後、シーラカンスの冷凍標本を提示し、胸びれのつくりに注目させ、その特徴が進化の証拠になっていることを生徒に気づかせます。最後に本時を振り返り、魚類、両生類等が地球上で発生した年代の違いから、生物が長い間に変化し多様な生物が発生したことに気付かせ、そのことが生物の「進化」であることを理解させて本時のまとめとしました。

長崎市立小ヶ倉中学校
前田 勝弘教諭

ロイロノート導入のメリット

  • 生徒に提示する資料を授業の展開に合わせてロイロノート・スクールで準備しておくことでスムーズな授業展開ができました。一度準備をしておけば、他のクラスでも利用できるので、効率的な教材準備ができました。
  • 今回の授業では、ロイロノート・スクールを使うことで各班の考えを瞬時に回収し全体への提示することができたので、紙やホワイトボードを利用する場合と比較して発表用の資料準備の時間を削ることができ、その分生徒が思考する時間を確保することができました。
  • ロイロノート・スクールの回収機能により各班の意見を集約し、全体で情報の共有することができました。ロイロノート・スクールで先生に提出したデータは、教師機ですぐに確認できるので、コメントの準備ができました。

実践の目標

  • 『カモノハシ』が「鳥類」と「ホニュウ類」、『シソチョウ』が「鳥類」と「ハチュウ類」の中間的な特徴を持っている動物であることを見いだす。
  • そのことが、生物が長い間に変化してきたことの証拠であること、さらに、生物が長い間に変化することが「進化」であることを理解する。

実践の場面

1. カモノハシの特徴について整理する

カモノハシについて、鳥類と両生類の特徴を班ごとに紙のワークシートにまとめる。整理したワークシートをタブレットのカメラを使って撮影し、ロイロノートに取り込む。

2. カモノハシの特徴について考える

ロイロノートに取り込んだワークシートの画像を教師のタブレットに送信する。教師は届いた画像を確認し、大型テレビに一覧表示する。その後、班ごとに調べた結果を拡大して全体に紹介し、情報の共有化を図る。他の班の考え方にふれ、自分の班との相違点など、カモノハシの特徴についての思考を深めていく。
最後に、教師より、カモノハシがホニュウ類でありながらも鳥類の特徴をもつ中間の生物であること説明する。

3. シソチョウの特徴について知る

次に、シソチョウについて調べることを生徒達に伝え、シソチョウの骨格画像を各班のタブレットに送信する。
生徒は、必要に応じて画像を拡大しながらハチュウ類と鳥類の特徴について紙のワークシートに記入する。記入したワークシートをタブレットで撮影し、ロイロノート・スクールの機能を使って教師機に送信する。

4. シソチョウの特徴について考える

教師は、生徒から送信された画像の内容を確認し、大型テレビに一覧表示する。各班の考えを全体で共有した後、教師がシソチョウについて解説を行う。
生徒は、各班の考えと教師の解説により、シソチョウがハチュウ類と鳥類の中間の生物であったことを認識する。

5. シーラカンスについて知る

カモノハシとシソチョウについて「中間」の性質をもつという特徴を理解した後、生きた化石と言われるシーラカンスの冷凍標本についての解説を教師が行う。
その際に、胸びれのつくりに注目させ、その特徴が進化の証拠になっていることを生徒が気づくようにする。

6. 生物の進化にせまる

本時で学習したカモノハシ、シソチョウ、シーラカンスの分類的な特徴を振り返りながら、魚類、両生類等が地球上で発生した年代の違いから、どのようなことが言えるかを考える。
生徒の発表や教師の補足をもとに、生物が長い間に変化し多様な生物が発生したことを見いだす。さらに、そのことが生物の「進化」であることを理解する。