実践事例小学校6年1人1台タブレット

道徳
くずれ落ちた段ボール箱


京都市立藤城小学校
神山 今日子教諭

ロイロノート・スクールの回答共有機能を用いて、他の児童の考えを知ることで自分の考えを深め、誰に対しても親切にしようとする心情を育てます。

資料「くずれ落ちた段ボール箱」の前半を読み、おばあさんのために親切な行為をした、“わたし”の気持ちを考えさせます。”わたし”の行為を「してよかった」と思う場合はピンク色、「しなければよかった」と思う場合は緑色の付箋紙に自分の考えを書きます。それをワークシートに貼り、カメラで撮影してロイロノートの提出箱に提出します。提出後、ペアでワークシートを見せながら交流し、互いの意見を知ります。その後、ロイロノートの回答共有機能を用いて、他の児童の意見を知ります。そして詳しく意見を聞いてみたい児童を相互指名し、発表を聞きます。
交流後、自分の考えがどう変わったか・深まったのかを付箋紙に書いて再び提出し、交流前と後でどれくらい考えが変わったのか全体で確認します。
その後、資料の後半を読み、“わたし”の気持ちに共感できるようにし、自分たちのこれまでの経験などを話し合います。最後に授業の振り返りとしてCMを見せ、相手の立場に立って親切を行うことの実践意欲を高めました。


ロイロノート導入のメリット

道徳の学習は「一問一答式」になり、児童が受け身の姿勢になりがちでした。
ロイロノートを用いることで、教員も児童も一人ひとりの意見を把握できるようになりました。様々な考えを知ることができるので、自分の考えを深め、普段発表しにくい児童が積極的に参加できるようになりました。

実践の目標

思いやりの心を持って行動することの良さを考えることを通して、相手の身になって考え、誰に対しても親切にしようとする心情を育てる。

実践の場面

1. 資料の前半を読み、“わたし”の気持ちを考える

資料「くずれ落ちた段ボール箱」を読み、おばあさんのために親切な行為をした“わたし”の気持ちを考えさせる。
「してよかった」と思う児童はピンク色の付箋紙、「しなければよかった」と思う児童は緑色の付箋紙に自分の考えを書く。付箋紙をワークシートに貼り、カメラで撮影してロイロノートで提出する。

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2. 友達の意見を知る

集まった回答を一覧表示して大型テレビに映し、何色の付箋紙に書いたのか分かりやすいようにする。
ペアでワークシートを見せながら、お互いの考えを交流する。ペアで交流後、ロイロノートの回答共有機能を用いて、他の児童の考えを見る。
たくさんの友達の考えを知ることができるので、児童たちはじっくりと見ていた。

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3. クラス全体で考えを共有する

回答共有で他の児童の考えを知ることができたので、もっと詳しく聞いてみたい考えを書いた児童を相互指名し、発表を聞く。
自分とは反対の考えを書いた児童を指名し、より詳しく考えを聞こうとする姿勢が多く見られた。

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4. 自分の考えを再び書いて提出する

全体での交流後に自分の考えがどう変わったか・深まったのかを付箋紙に書いて、再び提出する。
友達の考えを聞き、自分の考えに変化があった児童も見られた。
交流前と交流後の回答一覧をスクリーンショットで保存しておき、どのくらい考えが変わったのか全体で確認をした。考えにより付箋紙の色が違うので、色の判別で変化の様子がよく分かった。

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5. 資料の後半を読み、自分の生活を振り返り見つめる

後半部分を読み、親切な行為をした“わたし”のすがすがしい気持ちに共感できるようにする。
相手の気持ちを考えて温かく接することは気持ちのよいことだということを感じとらせるため、自分たちのこれまでの経験を話し合うようにした。

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6. 学習の振り返りをする

「思いをかたちに」のCMを見ることで、相手の立場に立って親切を行うことの実践意欲を高めた。

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