実践事例中学校2年1人1台タブレット・指導者用デジタル教科書

国語
君は『最後の晩餐』を知っているか(光村図書「国語2」)


上越教育大学附属中学校
小出 信也教諭

ロイロノート・スクールを用いて、文章を要約し、小見出しを付けてクラスで共有することで、学習を深めます。

「君は『最後の晩餐』を知っているか(光村図書)」を取り上げ、まずはレオナルド・ダ・ヴィンチの人物像について確認します。その後、「最後の晩餐」をタブレット端末のカメラ機能を用いて撮影し、ロイロノートに貼りつけます。分かったこと、気付いたこと、思ったことの3つを視点とし、ロイロノートのカードに入力。それをペアで発表し合い、教科書を読み返して発表内容と絵の内容の整合を確認しました。
それから、新出漢字、難語句の意味を確認しながら「君は『最後の晩餐』を知っているか」を読み、これまでロイロノートに書き込んだ3つの視点を確認しながら教科書を何度か読み返しました。次に、筆者が最後の晩餐をどのように分析しているのかを読み取り、その結果を共有し合いました。文章構成に合わせて与えられた条件にしたがって要約して小見出しを付け、その内容を仲間と共有します。
それから、要約して完成させた小見出しを提出箱に提出させ、「回答共有する」を教師が選択し、生徒のスライドを閲覧しました。
グループの代表生徒2名が書き込んだ小見出しの内容を発表し、教科書を読み返しながら、その内容の正しさをグループ全員で確認し合いました。


ロイロノート導入のメリット

  • 最後の晩餐を見て、分かったこと、気付いたこと、思ったことを容易に短時間で書き込むことができ、生徒の学ぶ意欲が持続する様子が見られました。
  • 書き込んだ内容をクラスメイトと共有しやすくなり、活発な意見交流を行う姿が見られました。
  • 筆者の分析していることをロイロノートに書き込むことで、教科書を何度も読み返し、自ら読みを深めるだけでなく、仲間との意見交流の中でも文章を読み深める姿が見られました。
  • ペアグループの仲間同士で完成させた小見出しを比較しながら、より良い小見出しに直すことができました。これにより、要約して完成させた小見出しの内容を吟味する姿が見られました。

実践の目標

  • 論理の展開の仕方、示されている根拠、使われている言葉や挙げられている事例に着目して課題を解決する力を養う。
  • キーワードを見つけ、与えられた条件に合わせて要約する力を養う。

実践の場面

1. 分かったこと、気付いたこと、思ったことを書く

指導者用デジタル教科書を用いて、レオナルド・ダ・ヴィンチの人物像について確認した。その後、ロイロノートを用いて「最後の晩餐」をタブレット端末のカメラ機能を用いて撮影し、ロイロノートに貼りつける。そして、分かったこと、気付いたこと、思ったことの3つを視点とし、ロイロノートのカードに書き込む。
生徒によっては撮影後、タブレット端末内蔵のプレゼンテーションソフトを活用し、吹き出しに書き込みを行った後、ロイロノートに貼りつける姿も見られた。

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2. 分かったこと、気付いたこと、思ったことを発表する

「最後の晩餐」を見て、前時にロイロノートに書き込んだ、分かったこと、気付いたこと、思ったことの3つの視点に沿い、ペアで発表し合った。発表をした後、教科書を読み返し、発表内容と絵の内容の整合を確認した。

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3. 文章を読み、新出漢字、難語句の意味の確認をする

学習目標を確認し、新出漢字、難語句の意味を確認しながら「君は『最後の晩餐』を知っているか」を読んだ。
また、これまでロイロノートに書き込んだ3つの視点を確認しながら、教科書を何度か読み返した。

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4. 筆者の分析を読み取り、その結果を共有する

筆者が、解剖学、遠近法、明暗法の3つの視点で、最後の晩餐をどのように分析しているのかを読み取るため、場面1で作成したノートに教科書を読んで3つの視点で筆者が分析している内容を、場面1の時とは違う3色でそれぞれの視点に合わせて読み取ったことを書き込んでいく。書き込んだことをクラスの4人一組のグループで発表し、共有し合った。その後、教科書を読み返して発表内容に間違いがないかグループの仲間同士で確認した。

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5. 要約して小見出しを付け、共有する

文章構成に合わせて与えられた条件にしたがって要約して小見出しを付け、その内容をクラスメイトと共有する。
生徒には、①内容が一目で分かる、②20字以内、③「~絵」で終わる、この3つの条件を与え、これに沿って要約をして小見出しを書くよう指示した。これまで作成したロイロノートにスライドをもう1枚追加し、そこに小見出しを書き込むこととした。

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6. 要約して小見出しを付け、発表する

要約して完成させた小見出しを提出箱に提出させ、「回答共有する」を教師が選択し、生徒のスライドを閲覧した。4人一組のグループを2つ合わせてペアグループになり、それぞれのグループの代表生徒2名が書き込んだ小見出しの内容を発表した。発表した小見出しについて、教科書を読み返しながらその内容の正しさをグループ全員で確認し合った。

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