実践事例小学校5年1人1台タブレット

道徳

学校の掃除


雲雀丘学園小学校
隅田 心吾教諭

ロイロノート・スクールで児童の考えを可視化し、意見を共有しながら話し合う授業を展開します。

児童たちの考えを教師が把握するためには、ワークシートを書かせて提出させる方法を主軸に考えていましたが、ロイロノート・スクールを使えばリアルタイムで把握できるのではないか、さらにそれを共有することも容易ではないかと考え、今回の授業を設定しました。
掃除をテーマにした授業で、世界の学校にならい、学校の清掃を清掃員にお願いすることになったと仮定して話を進めていきました。教室も頼めば清掃員に掃除をしてもらえる場合、教室の掃除をお願いするかどうかをクラス全体で話し合って決めることにしました。まず、個人の意見をロイロノート・スクールのカードで提出させました。教室の掃除をお願いするなら水色、しないならピンク色のカードと指定して、理由を書いて意見を提出しました。まずは4人班で自分の意見を発表し、班の中でいいなと思った意見を全体の前で発表して共有しました。自分たちで掃除をするにしても、その理由が「みんなのため」になるように、「掃除に学ぶ会」の人たちの動画を視聴しました。
最後に、自分だけのことを考えるのではなく、学校が公共物であることも理解して、たくさんの人のために掃除をしようという気持ちを持たせるように指導しました。


ロイロノート導入のメリット

  • カードに意見を記入することで、授業を行う前と行った後の意見の変化を残すことができました。
  • 色のカードを使うことで、意見の対立が視覚的にわかりやすくなりました。
  • 一覧表示で全体の意見が見られるので、容易に意見の共有ができました。

実践の目標

掃除は自分のためだけではなく、みんなのために行う活動だと理解し、掃除に積極的に取り組もうとする態度を育てる。

実践の場面

1. 掃除の興味関心について質問する

掃除について児童たちの正直な意見を引き出すため、掃除の興味関心について簡単な質問する。家でよく掃除をしている人、学校の掃除をがんばっている人、掃除が好きな人・嫌いな人、面倒くさいなと思う人など、質問を投げかける。

2. 世界の学校の清掃地図を見せる

「心の教育―日本教育の再発見」(著者:沖原豊、学陽書房)の世界の学校清掃地図を少し改変したものを見せる。学校を自分たちで掃除する国がそんなに多くないことを認識させる。

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3. それぞれの意見を提出する

世界の学校にならい、学校の清掃を清掃員にお願いすることになったとする。教室も頼めば清掃員に掃除をしてもらえるとして、教室の掃除をお願いするかどうかをクラス全体で決めることにした。ロイロノート・スクールのカードで、お願いするなら水色、しないならピンク色のカードに理由を書いて意見を提出させた。
この時、できるだけ全員一致でお願いしたいので、反対意見の人を説得するよう指示した。

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4. 班で話し合いをする

まずは4人班で自分の意見を発表する。このときに反論はしないよう指示した。次に、班の中でいいなと思った意見(ほかの人でも自分のでも良い)を全体の前で発表して共有した。議論がスムーズに進むよう、意見箱を全体で共有しておいた。

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5.「掃除に学ぶ会」の動画を視聴する

自分たちで掃除をするにしても、その理由が「みんなのため」になるように、ボランティアで街の清掃活動をしている「掃除に学ぶ会」の人たちの動画を視聴した。

6. みんなのために掃除をする気持ちを持たせる

自分だけのことを考えるのではなく、学校が公共物であることも理解してたくさんの人のために掃除をしようという気持ちを持たせるよう指導した。授業が終わるまで時間があったので、自由記入をさせた。

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