実践事例小学校6年1人1台タブレット

理科

てこのはたらき


会津若松ザベリオ学園小学校
五十島 真仁教諭

ロイロノート・スクールで、グループごとの実験の様子を共有し、個人の定着度をすぐに把握できる授業を実現します。

単元を通して、児童一人ひとりが授業で使用した写真やワークシートをロイロノート・スクールに保存し、いつでもそれらをふり返ることができるようにしました。
本時では、てこを利用した身の回りの道具である「くぎ抜き」、「空き缶つぶし器」、「糸切りばさみ」、「ドアノブ」でも「てこを傾ける働き=力の大きさ×支点からの距離」という「てこのきまり」が成り立つかを学習課題としました。道具の中から1つ、グループごとに実験する道具を選んで実験を行い、てこが水平につり合う場合を見つけて撮影し、ロイロノート・スクールにカードとして作成していきました。そして、実験結果をワークシートに記入して、グループごとに発表を行いました。撮影した実験の写真や結果のワークシートを教室前面のホワイトボードに表示させて、クラス全体に共有しました。
本時のまとめとして適用問題を一人ひとりのタブレットに送り、解答を教師のフォルダに提出させ、それぞれの定着状況を把握しました。


ロイロノート導入のメリット

  • 授業で使用した写真や図は、児童一人ひとりのロイロノート・スクールに保存しておくことができるので、必要な時にいつでもふり返ることができます。
  • 撮影した写真のカードをすぐにつなぎ、簡単にプレゼンテーションの準備ができるので、発表の準備が圧倒的に短縮できます。
  • カードを一斉に配布したり、児童の解答を回収したりできるので、どの児童がどの程度理解しているのか簡単に把握することができます。
  • 一度準備した写真や図などの資料は、別の学級で授業するときに簡単に使うことができます。

実践の目標

「てこのきまり」への理解を深め、てこが私たちの生活に幅広く利用されていることへの関心を高める。

実践の場面

1. 本時の学習課題を把握する

てこを利用した身の回りの道具である「くぎ抜き」、「空き缶つぶし器」、「糸切りばさみ」、「ドアノブ」の写真を児童一人ひとりのタブレットに送り、これまでの学習を確認する。また、それぞれの支点、力点、作用点の位置も確認した。
その後、これらのてこを利用した道具でも「てこを傾ける働き=力の大きさ×支点からの距離」という「てこのきまり」が成り立つかを問い、本時の学習課題とした。

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2. 解決の見通しをもつ

「くぎ抜き」、「空き缶つぶし器」、「糸切りばさみ」、「ドアノブ」の中から1つ、グループごとに実験する道具を選ばせた。選択したてこを利用した道具の実験用モデル(実物ではなく実験しやすくしたモデル)を見て、きまりが成り立っていると仮定した時の、力点にかかる力の大きさを考えさせた。

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3. 実験を行う

グループごとに選択した実験用モデルを用いた実験を行い、実験結果をワークシートに記録させた。実験を行う際は、実験用モデルのてこが水平につり合う場合を見つけて撮影し、ロイロノート・スクールにカードとして作成していくようにさせた。さらに、てこが水平につり合う場合の支点からの距離と、力の大きさ(おもりの重さ)についての結果をワークシートに記入させた。

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4. 発表準備をする

実験の様子の写真や、実験結果のワークシートのカードをつなげ、それぞれのグループの実験の様子を、クラス全体の前で発表する準備をさせた。実験結果を発表するだけでなく、自分たちが選択したてこを利用した道具では「てこのきまり」が成り立つかどうかも考察し、発表できるようにさせた。

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5. 学習のまとめをする

「くぎ抜き」、「空き缶つぶし器」、「糸切りばさみ」、「ドアノブ」の実験用モデルを用いた実験結果について、それぞれのグループが発表を行った。実験の様子を撮影した写真や、結果の表を教室前面のホワイトボードに表示させ、学級全体で共有した。それぞれのグループの発表を受けて、てこの働きを利用した道具でも「てこを傾ける働き=力の大きさ×支点からの距離」であるという「てこのきまり」は成り立つことを本時のまとめとした。

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6. 適用問題を解く

てこを利用した道具を実際に使用して「てこのきまり」が成り立つことを体感した後、適用問題のカードを4枚、児童一人ひとりのタブレットに送信した。児童たちは「くぎ抜き」、「空き缶つぶし器」、「糸切りばさみ」、「ドアノブ」の4枚のカードを見て、より小さな力で道具を使っている図を選び、解答を教師のフォルダに提出した。

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