実践事例高等学校2年1人1台タブレット

英語表現

大学の英作文入試問題で学び合い


茨城キリスト教学園高等学校
白倉 雅教諭

ロイロノート・スクールを活用した難関大学入試問題の学び合いを通して、個人学習では得られない「気づき」を促し、今後の学習に繋げます。

冬期休業中の課題の一つとして、自分の志望大学の入試問題を1年分解くよう指示しました。
冬季休業後、生徒が解いた問題の一部を取り上げ、予習として全員に取り組ませました。
今回の実践では、そのうちの一つである東北大学の英作文問題を扱いました。個人の解答を班内で比較してより良い解答を作り上げる過程を通し、英語が得意な人も、不得意な人も個人学習では得られない「気づき」を促すことができればと思い、実践しました。
まず、本時の流れと目標を生徒達に説明し、成績が均等になるように6つの班に分けます。班内で、教師から指示された生徒2名が、同じ班のメンバーにロイロノート・スクールの送信機能で解答を送ります。解答カードが送られた後は、班で自由に話し合わせました。その間教師は机間巡視しながら、適宜アドバイスを行いました。班内の考えがまとまった後、班のベストアンサーを提出箱に提出します。教師は解答例をカードで全員に送り、班でできた解答と比較します。班の中で、"できた点"と"できなかった点"を確認しました。
最後に、班の各代表1名が特に気づいたことを全体に発表し、今後の勉強の仕方や、問題を解く際に気をつけたいことを全員で確認しました。


ロイロノート導入のメリット

  • 文字、画像、音声など様々な情報媒体で、時や場所に縛られない形でより素早く情報が伝達でき、共有できます。また、授業内で使えば、リアルタイムで伝達状況がわかります。
  • 紙のノートではできない形で情報が保管できるため、ノートの整理次第で素早い検索が可能になり、携帯性も向上しました。そのため、より多くの問題を家庭学習や授業でこなすことができました。

実践の目標

  • 大学の入試問題英作文の一つを通し、どのような問題が出題されるか知る。
  • 自分の解答と、クラスメイトの解答を比較することで、英作文には複数の解答があり得ることを知り、英作文時の注意点やコツに気づくことができる。
  • 今回学んだことを、今後の学習でどう活かせるか考える。

実践の場面

1. 本時の流れを説明する

まず、本時の流れを説明する。

①成績が均等になるように分けられた6つの班に分かれる。班分けの際はロイロノート・スクールで班分けの表を作っておき、カードを全員に送ることでスムーズにできた。
②班内で教師から指示された2名の解答を班のメンバーに送る。
③各班でベストアンサーを作る。提出の際、各班の代表1名がカードに清書する。
④解答例と比較する。
⑤各班の代表1名が、班活動で学んだことを全体に発表する。

2. 本時の目標について説明する

本時の目標は以下の3点であると生徒達に説明する。

①大学の入試問題英作文の一つを通し、どのような問題が出題されるか知る。
②自分の解答と、クラスメイトの解答を比較することで、英作文には複数の解答があり得ることを知る。英作文時の注意点やコツに気づく。
③今回学んだことを、今後の学習で活かそうと考える。

3. 解答を送り、班内で話し合う

班内で教師から指示された生徒2名が、同じ班のメンバーにロイロノート・スクールの「送る」機能で解答を送る。混乱が生じないよう、メンバーの中で誰が解答を送るのか一覧表を作成し、カードを生徒全員に送っておいた。
解答のカードが送られた後は、班で自由に話し合った。

4. 教師はアドバイスをする

生徒が班内で話し合っている際、教師は机間巡視しながら、以下の点に主に気をつけ、適宜アドバイスを行った。

①班内で、指示通りカードを送れているか。
②清書をする人が、班の意見をきちんと聞いているか。
③複数の班で起きている課題があるかどうか確認する。課題が起きている場合は、全体に投げかけて注意を促す。
④最後に学びを発表する人が、班の意見をきちんと聞いているか。

5. 解答例と、班の解答を比較する

班内で考えがまとまった後、ベストアンサーを提出箱に提出する。教師が解答例をカードで全員に送り、班でできた解答と比較する。班の中で、「できた点」と「できなかった点」を確認した。
時間の都合上、解答の細かい分析は次回とした。

6. 学んだことを発表する

各班の代表1名が、特に気づいたことを全体に発表する。
今後の勉強の仕方や、問題を解く際に気をつけたいことを全員で確認した。