実践事例小学校4年3~4人1台タブレット

国語

だれもが関わり合えるように


山口市立徳佐小学校
陶山 圭一教諭

ロイロノート・スクールでプレゼンを作成し、互いに評価し合う中で発表する力を身につけ、学びを深めていきます。

資料『手と心で読む』(大島健甫)を読み、筆者自身の体験や点字との出会い、点字の仕組みや点字を考え出したルイ・ブライユについて学びます。その後、各自調べたい課題を決めて調べ学習を行います。図書室の本やインターネットなどを利用して調べ学習を行い、集めた資料をロイロノート・スクールのカードにします。カードを分類・整理しながら、分かったことや気づいたことをまとめていきました。
そして、一人ひとりがまとめたカードをグループ内の一人のタブレットに集約させて、発表の組み立てを考えて必要なカードを順序立てて整理していきます。また、カードの写真や資料などを見せる際、拡大したり、ペン機能を使って強調したりしながら、より分かりやすく伝える工夫を考えていきます。
その後、ロイロノート・スクールで作成した発表の資料を大型テレビに投影し、タブレットを操作しながら、発表の練習を行います。練習後、グループごとに作成したプレゼンを発表し合います。聞く人は発表の仕方の良さ、工夫など、感想を考えながら聞くことを確認して取り組みました。お互いの発表を聞き合い、良かったところなどを伝え合った後、自分自身の発表について振り返り、良かったところや課題、友達の発表を聞いて、自分の発表に取り入れたいところなどを感想として書かせました。


ロイロノート導入のメリット

  • 児童が能動的に学習に取り組むことができる。今回は、自分が調べたいことを出発点として学習を進めていったので、進んで資料を集めたり、考えを整理したりしていました。
  • ロイロノート・スクールのカメラ機能を使い、図書室にある本の絵や写真を撮って、一枚のカードにすることやインターネットで検索し、使いたい資料を一枚のカードにすることなどが児童にとって非常に容易でした。
  • 児童が課題について調べて集めた多くの資料を分類・整理する際、カードの並び換えや追加、削除が非常に容易でした。また、発表の組み立てを考える際にも、カードの並びが視覚的に分かるので、自分たちが伝えたいことなどをはっきりさせながら考えることができました。
  • 一人ひとりが作成したプレゼンテーション用のカードを送り合うことができるので、グループでお互いに資料を集約したり、話し合いながら意見をまとめて資料を作成したりすることができました。

実践の目標

  • 関心のあることなどから話題を決め、必要なことを調べて要点をメモすることができる。
  • 相手や目的に応じ、理由や事例などを挙げながら筋道を立て、話し方の工夫を考えて話すことができる。
  • 話の中心に気をつけて聞き、質問したり感想を述べたりすることができる。

実践の場面

1. 資料『手と心で読む』を読んで、学習の見通しをもつ

筆者の点字との出会いや点字の仕組み、点字の歴史について書かれているところを読み取り、もっと知りたいことや確かめたいことを考え、単元全体の見通しをもつ。

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2. 自分の課題を決め、調べる

自分が決めた課題について、図書室の本やインターネットを利用して、調べ学習を行い、資料を集める。
ロイロノート・スクールを使って、図書室の本を写真に撮影したり、Webページにある写真や資料のスクリーンショットを撮影し、カードに保存する。そのカードを分類したり、整理したりしながら、分かったことや気づいたことをまとめていく。

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3. 各自が調べたことをグループ内で集約し、発表の準備をする

一人ひとりが調べたことをグループの友達と伝え合い、発表の準備をする。ロイロノート・スクールを使ってそれぞれが調べてまとめてきたカードをグループ内の一人のタブレットに集約させる。カードの順序を考えながら、発表の組み立てを考えていく。
また、カードの写真や資料などを見せる際、拡大したり、ペン機能を使って強調したりしながら、より分かりやすく伝える工夫を友達同士で考えていく。

4. グループで発表の練習をする

実践の場面3で作成した発表の資料を大型テレビに投影し、タブレットを操作しながら発表の練習をする。
声の大きさや速さ、間の取り方はもちろんのこと、発表の順序、資料の提示の仕方、自分たちの考えたことが伝わっているかなどをグループ内で確認しながらアドバイスし合い、練習した。

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5. 発表会をひらく

グループごとに作成したプレゼンを発表し合った。
発表する人は、聞く人によく伝わるように工夫して発表すること、聞く人は発表の仕方の良さ、工夫など、感想を考えながら聞くことを確認した。

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6. 本時の振り返りを行う

お互いの発表を聞き合い、良かったところなどを伝え合った。
児童からは、声の大きさや速さ、間の取り方の良さに着目した意見が出たほか、ロイロノート・スクールを使い、絵や写真などを拡大させたり、ペン機能を使い、強調させたりすることでより分かりやすくなったという意見が出た。その後、自分自身の発表について振り返り、良かったところや課題、友達の発表を聞いて、自分の発表に取り入れたいところなどを感想として書かせた。