実践事例高等学校2年1人1台タブレット

英語表現Ⅱ

おすすめの歴史的建造物についてプレゼンしよう


福岡海星女子学院高等学校
徳永 道昭教諭

ロイロノート・スクールでプレゼン資料を作成し、「より伝わるプレゼン」ができる力を育てます。

この単元では受動態について講義形式で授業を行ったのち、加えて英語での西暦の表現方法、住所の表記方法の修得を目的に「おすすめの歴史的建造物」についてのプレゼンを行います。
生徒はそれぞれタブレットで、①画像、②建物が完成した年、③場所、④高さ・大きさや、なぜ人気があるかなどの特徴について調べ、スライドにまとめてプレゼン資料を作成します。ペアを組み、まずは何も教えられていない状態で「自分なり」のプレゼンを行い、互いに録画し合います。そして、録画した自分のプレゼンを見ながらペアで改善点を出し合います。過去に上級生が作成したプレゼン資料を見せ、生徒は自分が初めて作ったものと比べてどこが違うかを考えます。また、プレゼンの基礎的な項目、知識について講義を行います。先輩の作ったプレゼン資料や、講義内容を踏まえて、「より伝わるプレゼン」を目指して原稿の修正や資料の修正を行い、提出させました。
最後に、相互評価表を用いて自己評価と他者からの評価のズレをすり合わせ、今後より聞き手を意識したプレゼンを行うよう伝えました。


ロイロノート導入のメリット

  • 「カメラ」、「テキスト」、「お絵かき」、「Web」、「地図」のすべてのカードを活用してプレゼン資料を作ったのですが、PowerPoint等がなくてもこれだけの機能があれば、シンプルなプレゼン資料を作るには十分でした。
  • 普段は内気な生徒からも、「YouTuberになったみたいで楽しかった」という意見もあり、生徒たちは活き活きと活動に取り組んでいました。
  • 「カードを作ってつなげる」というシンプルな発想ですが、それが本当に便利です。最近縦型にも対応してさらに便利になりました。
  • 各種会議から無駄なプリントが一掃されました。
  • 怪我をして入院中の生徒にも授業の資料を共有することができました。

実践の目標

  • 西暦・住所の英語での表現方法を修得する。
  • プレゼンの為の基礎的な資料作りができるようになる。
  • 効果的なプレゼンの方法を学び、実践する。
  • ICT機器の操作法を修得する。

実践の場面

1. プレゼン資料を作成する

各自でおすすめの歴史的建造物について、ロイロノート・スクールの「テキスト」、「お絵かき」、「Web」、「地図」のカードを駆使してプレゼン用のスライドを準備させる。
教師からは、①建物の画像、②建物が完成した年、③場所、④特徴についてスライド4~5枚で作成するということのみ指定した。文字入力にするか手書きにするかは生徒に任せた。

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2. ペアで録画しあい、自分のプレゼンを見直す

「生徒間通信」のロックを解除し、作成したスライドをペアに送る。その後、タブレット端末を交換し、ペアのタブレットを使ってスライドを表示しながら、自分のタブレットで録画する。お互い録画し終わったらタブレットを返し、録画されている自分のプレゼンを振り返り、ペアで互いの改善点を出し合う。

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3. プレゼンの基礎の講義を行う

過去に上級生が作成したプレゼン資料を「資料箱」から取り出し、プロジェクターで黒板に投影する。生徒は自分が初めて作ったものと比べてどこが違うかを考える。
また、プレゼンの基礎的な項目(ジェスチャー・アイコンタクト・声の大きさ等)について、色と色の相性についての基礎的な知識(寒色・暖色・補色関係等)について講義を行う。次回までの宿題として英語の発表原稿とそれを録音したものをロイロノート・スクールで提出させ、添削して返却する。

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4. プレゼン資料を修正する

先輩の作ったプレゼン資料や、講義内容を踏まえて、「より伝わるプレゼン」を目指して原稿の修正や資料の修正(写真の大きさは適切か・色と色の関係は良好か・文字が多すぎないか等)を行う。
完成したものを「提出箱」に提出する。

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5. 再度録画して完成した動画を提出する

教室からアクティブラーニング用の施設に場所を変え、生徒がペアで自由に活動できるように配慮した。
前回よりもより活動的になり、録画→確認→修正→再録というサイクルで各班で自然と教え合う姿が見られた。中にはインカメラを使って自撮りする生徒もいた。プレゼンの練習の初歩として、最近の生徒には「対人」よりも「対カメラ」の方が抵抗感が少なく、よりリラックスして楽しく取り組める場合も多いと感じた。

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6. 大型スクリーンで録画した動画を見る

人前でプレゼンを行うスキルはもちろん必要だが、事前に録画したものをクラスメイトと一緒に見ることで、「聴衆から見られている自分」をより意識させることができると感じた。相互評価表を用いて、①内容について、②話し方について、③動作についてのそれぞれの項目に対して5段階評価を行い、「自分で思っている自分」と「他者から見た自分」とのギャップに気づかせることで、今後より聞き手を意識したプレゼンを行うよう伝えた。

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