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数学における反転授業例

反転授業で主体的に学ぼう

家庭での予習と学校での協働学習を行うことで、「自主的な学習力」と「コミュニケーション能力」を育てます。

1人1台タブレットの環境を生かした反転授業によって、教科書レベルの内容は家庭で、それ以上のレベルは学校で学習させることが可能となり、学習効率を向上させることができます。
しかし、それだけでは学校へ来てひとつの教室で一緒に学習をする意義をもたせることができないと考えています。そこで、この授業では、協働学習(グループ学習)という形態をとって、互いに教え合うことにより、「協働的な問題解決能力」や「コミュニケーション能力」の育成を図りながら、「完全習得学習型」の授業を目指しています。
また、家庭で動画を再生する、学校で問題を解く、仲間に質問をするなどの行動がすべての学習の起点となることで、「自立した学習態度」を育成することもねらいとしています。



近畿大学附属高等学校・中学校
増田 憲昭教諭


ロイロノート導入のメリット

・紙のノートをタブレットで撮って写真カードにし、教師の解説カードと一体化させることができます。さらに、プリントや小テストなどもタブレットで撮って写真カードにすることで、ロイロノートのデスクトップ上に、学習した全ての内容を残すことができるようになりました。

・板書をする必要がなくなったことで、演習をする時間を大幅に増やすことができるようになりました。



実践の目標

・自立した学習態度が身につく。

・協働的な問題解決能力や、コミュニケーション能力が身につく。

・学習効率を高め、1つ1つの内容をしっかりと理解してから次の学習に進む。



実践の場面

1. 家庭で予習をする

事前に配信されている動画を家庭で視聴し、授業ノートを作成する。
そして、教科書の練習問題を解く。



2. ノートを提出する

予習した授業ノートを、タブレットで写真に撮る。
ロイロノートで写真を、授業の最初に教師へ提出する。
こうすることによって、教師はこの日の予習の状況を確認することができる。



3. 教科書の答え合わせをする

あらかじめ、教師がロイロノートで作成しておいた解説カードを、プロジェクターに投影する。
事前に配信した動画の内容を確認しながら、教科書の練習問題の解説をする。生徒は、それを聞きながら予習の答え合わせをする。



4. カードを整理する

答え合わせの後に、教師が生徒へ問題の解説カードを配信する。
生徒は、そのカードと自分のノートを撮影した写真カードを繋ぐ。
繋いだカードの一番初めに表紙としてのカードをつけて、ひとつにまとめておく。



5. 協働的な学習をする

小グループを作り、予習によって新しく学習した内容の問題集の問題を解く。
原則、自力で解くことを約束事としているが、分からない問題があれば、グループのメンバーや教師に質問しても良いことにしている。
教師は、ひとりひとりの進み具合や、理解度、解答の書き方、つまづいている箇所などを確認しながら、生徒の学習をサポートする。



6. 各自の課題に取り組む

生徒は、問題集の問題が終われば、事前に配信されている「追加の演習問題を解く」、「プリントの問題を解く」、「次回の予習をする」など、教師が示した選択肢の中から取り組みたいものを選ぶ。自分で選択させることで、自主的に取り組む姿勢を育成させるという意図がある。