実践事例高等学校1年1人1台タブレット

英語

Post-Reading Activities


立命館守山中学校・高等学校
辻 大樹教諭

一人ひとりのアウトプットの場を一斉に提供できる、新しいアウトプット型授業をロイロノート・スクールが実現します。

教科書で学習したレッスン内容を自分の言葉でまとめ、ロイロノートを利用して発表まで行います。
生徒たちは英語の正確さももちろんですが、相手に伝わる発表をするために、各自で音読練習して準備したり、英文に関わるスライドを用意したり、ロイロノート上のお絵かき機能を利用してスライドを準備します。発表はペアで行い、お互いに撮影し合い、それを教師に提出します。そして、提出された動画の中から良い発表を選び、全体で共有します。その良い発表についてペアでディスカッションをしてまずは日本語で意見を出し合い、その後英語でも意見を述べるよう指示します。そして全体でも英語で意見をシェアします。
最後にまとめとして、教科書の本文を要約したものの一部を穴抜きにした英語の文章に取り組みます。ペアで穴抜きになっている箇所にどんな英語が入るか考えさせてから、解答の共有を行います。


ロイロノート導入のメリット

  • 授業時数の関係で、これまで発表できてもクラス内で2~3人であったリテリングの発表が、ロイロノートを利用することで、1回の授業で、しかもほんの10分程度でクラス全員の発表を行わせることが可能になりました。それに伴い、評価することの負担は増えるものの、その労力に十分見合う生徒の総合的な英語力の向上につながっていると思います。
  • 生徒が、全員の前で発表するということの精神的プレッシャーを下げることが可能になりました。
    さらに英語を得意としない生徒たちも、発表に積極的に取り組むようになり、圧倒的に授業内で発話する量が増えました。
  • 良質の発表も簡単に共有できることで、その他の生徒の発表スキルの向上にもつながっています。
    また、発表にロイロノートを利用することで、それまでキーワードを利用してのリテリング発表が、全員が同じものを共有して行うことしかできなかったものが、それぞれピクチャーだけで行ったり、自分で絵を描いたり、動画を利用したりと、オリジナルの発表を行うことが可能になりました。ロイロノートを活用することで、生徒の創意工夫を促せていると感じます。

実践の目標

  • 教科書の本文を何度も読み込み、発表につなげることで、本文の理解を深める。
  • 既に習った表現を利用しながら、教科書の内容を再生し、相手に伝わる発表ができる。
  • 優れた発表を全体で共有し、良い発表についてクラス全体で協力して考察する。

実践の場面

1. 本文の内容を復習する

前回の授業で学習した本文の内容について、パワーポイントを用いながら復習を行う。
この際、生徒の積極的な参加を促すため、生徒との対話を重視しながら、生徒が発言できるように促す。また、教科書の本文をそのまま再生しないよう、生徒が理解できるレベルの分かりやすい言葉を用いて、生徒と共に前回の授業の復習を行っていく。

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2. 発表のための動画を撮影をする

前回の授業の復習を終えた後、教科書で学習したレッスン内容を自分の言葉でまとめ、ロイロノートを利用して発表を行う。
相手に伝わる発表をするために、各自で音読練習して準備したり、英文に関わるスライドを用意したり、ロイロノート上のお絵かき機能を利用してスライドを準備する。
そして、ペアになって発表を行い、それぞれ撮影し合う。撮影の時間を10分間与え、その時間内であれば何度でも撮影し直すことを可能とする。

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3. 優秀な発表を全体で共有する

撮影を終えた生徒から自分の納得のいく動画を教師に提出する。

のちほど、提出された発表動画を、以下の3つの観点から評価し、それぞれ生徒に返す。
①Delivery ( voice / speed / pause / eye contact )
②English ( pronunciation / grammar )
③Content ( expression / paraphrasing )

教師に提出された動画の中から、優秀な「良い発表」の動画を選ぶ。そして、その動画をスクリーンに映し出し、クラス全体で共有する

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4.「良い発表」についてディスカッションする

共有された発表動画の良かった点について、まずはペア内で日本語でディスカッションし、意見を共有する。ペアで意見の共有が終わった頃合いを見て、その意見を英語で述べてみるよう指示する。そして、ペア内で共有した後、クラス全体でも英語で意見をシェアする。

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5. 本文の穴抜き要約文に取り組む

まとめとして、教科書の本文を要約したものの一部を穴抜きにした英語の文章に取り組む。穴抜きの要約文を、ロイロノートのカードにして、それを生徒に配布。そして、ペアで穴抜きになっている箇所にどんな英語が入るか考えさせる。
生徒の考える力を育成するため、本文はできる限り分かりやすい言葉にしたものを利用する。教師は教室を見回りながら、生徒のサポートにあたる。

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6. 解答を全体で共有し、学びを深める

生徒に配布した、穴抜きの教科書本文の要約カードをホワイトボードに投影し、解答の共有を行う。ここでも生徒との対話を重視しつつ、問題の共有及び、解説を行う。

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