実践事例 > 高等学校1年 > 数学 > 1人1台タブレット

関数関係に着目して事象を考察しよう

水槽の秘密を探ろう

生徒たちが能動的に、そして協同的に、2つの数量関係に着目して事象を考察できる能力を育成します。

水槽に水を入れた時のある2つの数量の関係を表したグラフを提示し、このグラフは何と何の関係を表したグラフか、生徒たちに問いかけます。
階段状の水槽に一定の割合で水を入れる時の時間と、水面の高さの関係を、生徒それぞれグラフに表すよう指示します。
生徒たちが書いたグラフを教師のタブレットに送信し、それを一覧表示してクラス全体で共有します。
そして生徒に、なぜ、そのようなグラフを書いたのか説明させました。
次に、ある水槽に一定の割合で水を入れた時の、時間と水面の高さの関係を表したグラフを提示し、そのグラフから水槽の形を考えさせました。
先ほどと同じように、生徒は自分の考えた水槽の形を教師に送信し、クラス全体で共有します。
それから、生徒オリジナルの水槽を作成し、その水槽に一定の割合で水を入れたときの、時間と水面の高さの関係をグラフに表します。
そのグラフを書いたらまた教師に送信します。
生徒たちの考えを全員で共有しながら、水槽の形からグラフを考えたり、グラフから水槽の形を考えたりするようにしました。



筑波大学附属聴覚特別支援学校
加藤 慎一教諭


ロイロノート導入のメリット

・視覚化された映像をもとに、生徒たちが能動的に、そして協同的に、事象から2つの数量を取り出したり、2つの数量の関係に着目して、事象を考察したりする契機となりました。

・生徒たちの多様な考え方を一覧表示し、全体で共有しながら、授業に生かすことができました。

・生徒が自分の考えを他の生徒に伝えたり、教師が生徒へコメントをする際など、お互いの考えを伝え合う際のコミュニケーションが、ロイロノートの送信機能で簡単にできる点はメリットだと思います。


実践の目標

水槽に水を入れたときの時間と水面の高さの関係をグラフに表したり、グラフから水槽の形を探ったりする活動を通して、2つの数量の対応や変化に着目して事象を考察することができる。


実践の場面

1. グラフを読み取る

実物の直方体の水槽を提示し、その水槽に水を入れた時のある2つの数量の関係を表したグラフ(図1)をスクリーンに映し出す。
このグラフは何と何の関係を表したグラフか、生徒たちに問いかけ、グラフを読み解かせた。



2. 時間と水面の高さの関係をグラフに表す

階段状の水槽(図2)に一定の割合で水を入れる時の時間と、水面の高さの関係をグラフに表す。
教師が生徒たちのタブレットにカードを配布し、それにグラフを書き込むようにした。



3. 自分の考えを説明する

生徒たちの作成したカードを教師のタブレットに送信する。
教師は生徒から送られてきたカードを一覧表示してスクリーンに映し出す。
そうすることで、生徒たちの考えをクラス全体で共有することができた。
なぜ、そのようなグラフを書いたのか、生徒の中から数名を指名して、自分の考えを説明させた。



4. グラフから水槽の形を考える

ある水槽に一定の割合で水を入れた時の、時間と水面の高さの関係を表したグラフを提示し、そのグラフから水槽の形を考える。教師は生徒たちのタブレットにカードを配布し、それに水槽の形を書き込むようにする。
書き込んだら、生徒は教師のタブレットに送信する。
教師は生徒から送られてきた水槽の形を書いたカードを一覧表示し、スクリーンに映し出して、クラス全体で共有した。
生徒の中から数名指名して、なぜ,そのような水槽の形になったか、自分の考えを説明させた。



5. オリジナルの水槽を考える

それぞれの生徒オリジナルの水槽を作成し、その水槽に一定の割合で水を入れたときの、時間と水面の高さの関係をグラフに表す。
教師は生徒たちのタブレットにカードを配布し、それにグラフを書き込むように指示した。



6. 発表をする

生徒たちはグラフを書いたカードを教師のタブレットに送信する。教師はそれを一覧表示してスクリーンに映し出し、生徒たちの考えを全員で共有した。
その際、水槽の形からグラフを考えたり、グラフから水槽の形を考えたりするようにした。