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栄養素とその主な働きについて理解する

なんとなく知っている(わかっている)ことを具体的なものにしよう!

自ら調べ、考える全員参加授業

家庭科は題材が日常生活すべてであり、授業で得たことを即実践できるというメリットがある。
授業で聞いた(教科書に載っていた)「語句」を検索し、資料(画像、動画、図表)で確認する。
インターネットで検索することで最新の情報を得ることが出来る。調べたことをまとめることで「語句」であったものを知識として定着させる。クラス全員と回答共有することにより短時間で多くの情報を得ることが出来る。
他の生徒の意見やまとめ方を知ることで、どのような文や構成であれば、見やすく理解しやすいか、興味関心をひく内容になるかを学ぶ。



日本大学三島高等学校・中学校
長坂 綾子教諭


ロイロノート導入のメリット

導入後の授業では、資料を画像で送る、意見や調べたことを発表する、確認問題の答えを提出する、インターネット検索により情報収集する、など様々な機能を利用してきた。「意見を発表する」ということに関しては、これまでの授業では2、3人の生徒の意見を聞くにとどまっていたが、ロイロノートで全員に提出させることで、生徒の考え方の傾向などを把握することが出来る。
また、確認問題(簡単な計算問題など)も全員の回答を一覧で見ることにより、回答までのスピードとクラス全体の理解度を把握でき、どのような補足説明が必要なのか考えながら授業を進めることが出来ている。
大きな変化としては、寝てしまう生徒がいなくなったことである。家庭基礎は2時間続きの授業展開をしている。そのため、残念ながら飽きてしまう生徒がおり、努力不足を痛感しては工夫を重ねていた。
しかし、ロイロノート導入により、受け身ではなく自分で調べる、全員が発表するという全員参加授業を目指した展開に変えることが出来た。回答共有という機能により、他の生徒の意見や提出物を参考に出来るということで相乗効果も期待できる。



実践の目標

・本時の学習内容を実際の自分の生活に活かすことが出来る。

・自分の意見や新たに得た知識、再確認できたことを発表することが出来る。

・どのような構成であれば興味関心をひく発表になるか、工夫をすることが出来る。

・決められた時間の中で考えをまとめ、発表することが出来る。



実践の場面

1. 学習内容に関する資料を検索する

本時は「炭水化物の過不足による症状」が題材である。
食物繊維の過不足をまとめる際に、食物繊維の目標摂取量を伝え、「食物繊維を多く含む食品」や「100g当たりの食物繊維量」を調べさせた。



2. 身近な題材を調べよう

最近、生活習慣病予防(メタボリックシンドローム)を期待する効果を持たせた特定保健用食品が多い。生徒自身もコンビニやスーパーでトクホを目にする、または実際に摂取する機会が増えた。そこで、身近にある特定保健用食品に含まれている保健機能成分とその効果について調べさせた。
ロイロノートで提出、回答共有することで、一人ひとりは1つの商品について調べただけであっても多くの情報を得ることが出来る。



3. プレゼン資料を作ろう!

本時のプレゼン資料作成のテーマは「腸内フローラ」である。
授業で食物繊維の欠乏により腸内環境が悪化することを説明した後、まとめさせる。
腸内環境と健康との関わり、食物繊維により腸内環境はどのように変わるか、腸内フローラとは何か等を調べ、「発表する」ということを前提に資料をつくる。



4. 相互発表することで、出来上がりを確認する

隣の席のクラスメイトとペアを組み、作成したプレゼン用シートをもとに発表し合う。
発表することで、自分自身が発表しやすい(調べたことを伝えやすい)内容や展開になっているか確認することが出来る。相手が理解しやすいプレゼンとはどのようなものか考え、工夫させる。
ペアで発表し合うことで、相手の発表を参考にすることもでき、互いがより良い資料に仕上げることに繋がる。



5. ロイロノートを有効に使いこなそう

本時までロイロノートの様々な機能を使い授業を行ってきたが、録音機能はまだ利用していなかった。
1人1台タブレットというメリットを生かし、プレゼン資料に音声を付けて提出するという課題を与えた。相互に発表し合ったことで気付いた改善点を元にプレゼン資料をまとめ直し、音声を付け完成させたものを提出するというものである。



6. 相手が理解しやすい資料とはどんなものかを考え、工夫する

「音声付きのプレゼン資料を作る」という課題により、これまでの課題とは違う取り組みにすることを目的とした。作り上げた資料(シート)に載せた言葉と、自分の「喋り」をどのように合わせればわかりやすいものになるのか考えさせる。
単に資料をまとめるという作業に留まらない思考を持たせ、発表することに慣れさせていく。