~英語4技能のテスト成績を
伸ばす方法~
授業や宿題でロイロノート・スクールを活用して英語のリスニング能力を育成することで、英語4技能すべてのテスト成績を大幅に向上させた立命館守山中学校・高等学校の辻先生と生徒達から、その秘訣をインタビューさせて頂きました。
Q:リスニング・スピーキングの成績が目ざましく伸びたとお聞きしました。
どんな工夫をされたのでしょうか?
INPUT
たくさんのOUTPUTを支えるINPUT方法
1. 自分のペースで音を聞く
リスニング中心に行う授業では、個別学習を進めています。従来の授業では全員一斉にCDを聞くことがスタンダードでしたが、これだと個別の能力に対応した授業ができませんでした。個人によって聞き取れる量も、聞き取れる音も全く異なりますので、生徒によって聞きたい場所や聞きたい回数も異なってきます。そこで個別にリスニングをするために、ロイロノートで音声データを配信、個別に音を聞き、ノートへ書き取りすることにしました。
【授業の流れ】
- 本文のオーラルイントロダクション(インタラクションを中心に
- Listening(1回目): 止めずにメモ欄に内容をメモしていく。リスニング後、メモを頼りに、本文の要約を作成。
- Listening(2回目): 聞きながら要約を完成させていく。このときは止めたり戻ったりすることを強化している。
- Reading:本文を読みながら、要約を完成させていく。※早く終わった生徒には別の課題を用意し、時間差を補う。
2. リスニング宿題 40秒ディクテーション
家庭学習として40秒程度のダイアログ(様々な教材を利用)のディクテーションを行わせています。生徒には最低でも6回は聞くように指示しています。ノートを2分割し、左半分は書き取りよう、右半分は音声変化(連結、脱落、同化)をまとめさせています。こうやって自分が聞こえない音を認識させ、「音を作る」作業に力を入れています。生徒は週4つのダイアログのディクテーションに取り組み、週一回そのノートを提出させチェックを行っています。
3. 休み中にも週替わりの宿題
長期期間中にも、たくさんのインプットを得られるようにロイロノートを用いて学習をさせています。約40日の休み期間で、32題のダイアログのディクテーションに取り組ませました。提出期限はロイロノート上で通知設定できるので、2週間毎に分割させて課題を提出させていました。夏休み後の外部試験でリスニングが急激に上がった生徒がクラスで多数出てきました。
その他にも、夏休み中には以下のような課題も課しています。
1)英文法:夏休み明けにTOEFLの受験があったので、文法を総復習しました。
2)英単語:単語帳一冊に取り組み、夏休み明けに確認テストを行いました。
OUTPUT
OUTPUTをビデオで提出
1. 即興で英語を話す
① 本文の読解からアウトプット
必ず本文はアウトプットする活動で終了しています。リテリングもキーワードリテリングを行っていますが、3年生になった今ではキーワードの入ったスライドをこちらで配布し、すぐに(5分ぐらいは準備時間を与えていますが…)発表をさせています。「自分の言葉」で話すことにこだわり、一つのプレゼンのようになるように導入と結論を加えた発表にさせています。発表の記録に関しては、ペアになって、プレゼンしている姿をビデオで撮影してもらい先生へ提出させています。
② 発展的アウトプット
本文から発展した活動として、ディスカッションやディベートも行っていますが、こちらも即興性を持たせています。最初は準備をさせた中で行っていたのですが、ある程度「型」に慣れてきた段階で、即興的に話させる方向へシフトさせています。
③ 通訳訓練法でアウトプット
レッスンとレッスンの間や、時間が余った時などに投げ込み教材として通訳メソッドを用いた教材を利用しています(「英語リプロダクショントレーニング」)。こちらに関しても、最終的にはアウトプットを動画撮影し、自分の発表を客観的に見て、次の発表につなげられるように指導しています。
2. 生徒とのやり取りも英語で
授業は基本ALL ENGLISHで行います。生徒にも発話を促し、積極的に発言させています。ペアやグループでの活動に関してもALL ENGLISHを求めるときもあるので、対教師だけのインタラクションだけでなく、生徒同士でも英語のアウトプットが生まれるよう、授業マネージメントには気を付けています。本文の難しい表現に関しても、こちらで優しい英語に言い換えてあげることで、英語での理解が進み、英語で考える癖がつきます。