実践事例高等学校1年1人1台タブレット

音楽

カップミュージックをつくろう


京都府立清明高等学校
春野 海講師

カップミュージックの創作と動画の共有を通して、協働して創造する力を培います。

カップミュージックとは、BGMに合わせてプラスチック製のカップと手拍子などを使って演奏する活動です。
まず講座Aで、カップミュージックをグループで創作し、楽譜と解説動画をロイロノート・スクールで作成し、教員に提出します。
次に講座Bで、講座Aで作成した楽譜と解説動画から作者の意図を読み解き、演奏します。
教員はその様子を動画撮影し、両講座での動画を比較します。
これらの活動から、人に「伝える」ことの難しさと楽しさを学習します。


ロイロノート導入のメリット

  • グループ活動での試行錯誤が活発になりました。
  • 生徒が創作した楽譜や解説動画を効率的に回収・管理できるようになりました。
  • 時空間を超えて、リアリティを持った情報共有ができるようになり、互いの講座で作品を鑑賞し合うことで授業が活気づきました。
  • マルチメディアに対応しており、1人1台タブレット環境での利用により、グループ練習では、楽譜を見る、解説動画を再生する、BGMを再生するなど様々な目的で同時にタブレットを使用することができるようになりました。

実践の目標

  • カップや身体を使った楽曲をつくる学習に主体的に取り組む。
  • リズムや速度、拍や拍子を知覚し、それらの働きが生み出す雰囲気を感受しながら、カップや身体の特性を生かした音楽表現を工夫することができる。
  • カップや身体の特性を生かした音楽表現をするために必要な創作の技能を身に付ける。

実践の場面

1. 既存のカップミュージックを演奏する

15秒程度のリズムパターンを表した楽譜と、教員がカップで演奏する様子を撮影した動画をロイロノート・スクールで配信する。
生徒は、個人で楽譜を見たり、動画のスロー再生や部分再生をしたりして練習する。次にグループで演奏の終わり方を話し合い、練習する。最後にBGMに合わせてグループで演奏発表し、講評し合う。

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2. 講座A:グループでカップミュージックを創作する

生徒は、グループで話し合い、実際に音を出しながらカップミュージックを創作し、白紙のカードに記譜する。音符だけにこだわらず、図や絵、文字も自由に使うこととした。創作にあたり、初めて楽譜を見た人がリズムを再現できること、演奏の終わり方を工夫することについて指導した。創作したカップミュージックをクラス内で発表し合い、教員がその様子を動画撮影する。

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3. 作品の解説動画をiMovieで作成する

グループ内で演奏役と撮影役を決め、創作したカップミュージックの一部を演奏する様子を動画撮影する。撮影した動画をiMovieで編集し、解説動画を作成する。

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4. 生徒が作成した楽譜と解説動画を回収する

「本時の場面3」で作成した解説動画をiMovieからロイロノート・スクールに書き出す。
楽譜と解説動画を繋いだカードを教員に提出する。

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5. 講座B:楽譜と解説動画を見ながら練習する

「本時の場面4」で提出された他グループの楽譜と解説動画を配信する。生徒は、配信された楽譜と解説動画を見ながら個人で練習した後、グループで演奏の終わり方を話し合う。最後にBGMに合わせてグループで演奏発表し、その様子を教員が動画撮影する。「本時の場面2」で撮影された動画を見て、自分たちの解釈と比較する。

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6. 講座A(続き):講座Bの演奏を動画で鑑賞する

後日、「本時の場面5」で撮影した講座Bの動画を講座Aに持ち帰って鑑賞する。
動画の比較により、人に「伝える」ことの難しさと楽しさを体験する。

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