シンキングツール機能を活用して、パフォーマンステストに取り組むための課題設定を行います。
目の前の自然の事物・現象を自分事としてとらえさせるため、身近に利用されている菌類を調べる活動や、学校を囲む土塁周辺の生態系を考えるパフォーマンステストにグループで挑戦する活動を行いました。
生物の共生関係について探究する観察・実験や調査活動を通して、生徒は自ら課題を見いだし、課題解決に主体的に取り組むことができました。
本単元の学習成果として、自然環境と人間との関わり方について自らが考えたことを、デジタルコンテンツに表現し、全校や地域へ発信しました。
ロイロノート導入のメリット
- 資料の配付や共有する方法が分かりやすく、生徒が見通しをもって学習活動に取り組むことができます。
- 生徒の考えやデータなどを即時的・視覚的に共有することで、他者と協働してよりよいアイデアや活動を創り上げることができ、新しい価値を見出すことにつながります。
- シンキングツール機能により、思考の過程や話し合いの軌跡などを一覧することができ、自分の考えを作りやすくなりました。
実践の目標
- パフォーマンステストの課題発見や設定を主体的・共創的に進めることができる。
実践の場面
1. パフォーマンステストの内容を提示する
次のパフォーマンステストについて、説明する。
「土塁の景観をよくするために、スギやマツを伐採するという情報を聞き、理科の授業で生態系の学習をしていたXさんは、その後の土塁周辺の環境の変化を想像して、不安を感じました。どのように変化すると感じたのか、具体例とその根拠を挙げて、説明しましょう。」
2. 土塁周辺の環境を観察し、現状を把握する
スギやマツが土塁周辺の環境に対してどのように影響を及ぼしているのか、周辺の環境を観察しに行きたいという声が挙がり、全員で土塁周辺の生物などの様子について観察した。観察の視点は個人で決め、発見したことや今後調べたいと思ったことについて写真とコメントで保存し、ロイロノート・スクールで提出・共有した。
3. 各自で課題を発見・設定する
これまでの学習で蓄積してきた観察記録や実験結果に加え、ロイロノート・スクールで共有された他の人の考えなどを参考にして、「土塁のスギやマツを伐採すると、環境はどのように変化するのか」という問いについて考えるための課題を発見したり設定したりした。その方法は、ホワイトボードに書いて撮影したり直接カードに記入したり、各自が自由に選択して行った。
4. グループで共有し、シンキングツールで整理する
各自で発見・設定した課題について、ロイロノート・スクールのシンキングツール機能を活用して、グループで話し合った。バタフライチャートを使って、伐採に賛成と反対の考えを集めて比較したり、ピラミッドチャートで情報を整理しながら意見交換を行った。それぞれ必要なシンキングツールを適宜選択して活用した。
5. グループで課題に取り組むための計画を立てる
次の時間から調査活動や課題解決のために必要な実験を行うため、グループで計画を立てた。役割分担や調査手順などをまとめたカードをロイロノート・スクールで提出した。提出したカードを全体で共有することで、他のグループの計画や進捗状況などを見て、参考にしたり互いに助言し合ったりすることができた。